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​連載コラム

​『もりさんぽ』

タウンマネージャーもりさんによる久留米の街ネタ・小ネタ。

​毎月1話ずつ更新していきます。

​皆さまからの情報もお待ちしております!

2022年12月号

​『もりさんぽ』

​「時計屋さんが恋しい季節?です…」

 寒い季節がやって来ると、何とはなしにうら寂しさ(?)を感じる事がありませんか?詩をたしなむことも通常では無いのですが、中原中也なぞ久々に持ち出して読むふける初冬の私です。

 先日朝、急いでいて、つい腕時計を忘れた日がありました。忘れたにもかかわらず、日に何度も左手を見てしまう自分がおりました。見るたびに、「あっ!忘れたんだった!」と思うのですが、また見てしまいます。日常の中にある腕時計ですから、身に着けていて当たり前だと思う感覚があり、「無いのに見る」を一日中繰り返しました。その行動が可笑しくて、途中から笑い続けてしまいました。

 携帯電話が一般的となり、腕時計を付ける習慣は薄れて行きました。近年はネット販売もあり、こうしたことを背景に、時計店も減少し中心市街地商店街でも数店を残すのみとなりました。しかし、腕時計はかつて進学や就職など記念日を祝う贈り物として花形でした。『懐かしMAP』作成時にも、こうしたお話しをたくさん頂戴しました。また、「巣ごもり」で家時間が増したためかしまい忘れた腕時計が多く「発見!」され、オーバーホールや電池交換に訪れるお客様も増加しています。久留米一番街商店街にある、『宝石 時計のハラ』店さまでは、日常的に「〇〇時計店が閉まっとうけん来た。電池替えて」というお客さまが多く来店されています。中には、世間話しがしたい方も・・・。それだけでなく、息子への文句、嫁への愚痴を話し出す方も少なからずいそうです。「(聴いているのは)たいへんじゃあないですか?」と、ほとめき通り商店街会長でもある店主の原さんに尋ねたことがあります。「いや、大変ではないですよ。むしろ、ありがたい。お客さんの想いを大切にしながら、ひとつずつオーダーを進めています」と言われます。確かに、社交の場としての役割を果たすことは、中心市街地商店街の重要な役目。ですがなかなかに難しい作業。久留米市中心市街商店街には、「ほとめき」の名を担う個店の気概あることを知る事となりました。

 寒くなっては来ましたが、ほとめき通り商店街を歩いてみませんか。こんな話しを知ると、見えてくる風景も変わるかもしれませんよ!きっと!

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宝石・時計のハラ

福岡県久留米市東町26-7(一番街商店街内)

TEL. 0942-32-5982

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