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​連載コラム

​『もりさんぽ』

タウンマネージャーもりさんによる久留米の街ネタ・小ネタ。

​毎月1話ずつ更新していきます。

​皆さまからの情報もお待ちしております!

2022年6月号

​『もりさんぽ』

​「寺町界隈」

 雨の多い季節となりました。同時に、蒸し暑さを感じるこの時季。体調管理を怠らずと強く思う今です。今回から、『もりさんぽ』へと、リニューアルした本コラム。引き続きよろしくお願いいたします。

 久留米には歴史を感じる場所が多くあります。篠山城址はその代表的な場所ですが、私は時折訪れたくなる『寺町』界隈に、久留米の歩みを感じることが出来るなぁと思っています。「掃苔(そうたい)」と言う言葉があります。苔(こけ)をきれいに取り去ることの意ですが、転じて「墓参り」を表す言葉です。近年、歴史上の人物や、著名な物故者のお墓へお参りをする趣味を持つ方が増えています。「墓マイラー」という呼び方があるそうですね。東京には、久留米にゆかり深い夏目漱石が眠る「雑司ヶ谷霊園」が。佐賀藩に産まれ、洋画家で第1回文化勲章を受章している岡田三郎助は「青山霊園」に葬られています。こうした、墓を巡り往時をしのび故人の功績を称えるのです。

 寺町には、幕末の尊王思想家高山彦九郎の墓が所在する遍照院様。徳雲寺様には、久留米絣の創始者井上伝のお墓が、大正期から昭和初期に活躍した前衛洋画家古賀春江の墓は、善福寺様に所在しています。また、寺町から少し外れますが日吉町順光寺様には、坂本繁二郎画伯が建立した夭折の天才画家青木繁の墓もあります。しかし、私の興味を最も引き付けるのは久留米出身の世界的建築家菊竹清則氏が設計した、徳雲寺様の本堂。ここでは、流線型の見事なフォルムを見ることが出来ます。石橋徳次郎氏、石橋正二郎氏が埋葬される千栄寺様は、レンガ造りでステンドグラスも素晴らしい建造物で、まるで教会建築のような設計が目を引く秀でた作品です。2011年に亡くなられた菊竹氏。残された作品としては石橋文化センターや、久留米市役所を市内で観ることが出来ます。太宰府市にある九州国立博物館はウェーブが美しく、菊竹氏の真骨頂とも言われる最晩年近くの傑作と言われています。

 このように楽しみ方、感じ方は人それぞれ。梅雨の季節ですが、寺町界隈で久留米の歴史と歩みを探してみませんか?レポートをお待ちしております。

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​徳雲寺本堂
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